消えてしまわないで
離れてしまわないで
どうかずっと、
ずっと側にいて―――――
ああ、
俺の全てが彼女を求めている
++++ 愛し求めるもの ++++
彼女に触れる
彼女は俺に笑顔を
彼女を腕の檻に閉じ込める
彼女は恥じらいながら俺の腕の中へ身を寄せる
俺はそんな彼女を少し強く抱きしめる
もう彼女なしでは考えられない
―――――あたたかい
その一つ一つの仕草や全てに俺は囚われ溺れていく
俺は彼女に向かってゆっくりと顔をおとす
彼女は俺を見上げて
その行為が何を意味するかを理解すると頬を染めた
年上の彼女
でも、そういうことに免疫がないのか
こういう行為をする時はいつも自分より幼く見える
そして彼女は少し恥らいながら
ゆっくりと目を閉じ、身を預けた
俺はそれを確認すると更に距離を縮めた
愛しくてどうしようもなくて
もっと側にいたくて
ずっと彼女を確認したくて
もう少しで彼女の唇に触れる―――――
夢はそこで終わった。
―――――また夢だったのか
自分の現状を見て、そう確信した。
だが、寝起きのせいで体にあまり力が入らない
見慣れた天井
窓から見える薄暗い外、まだ太陽が昇りきっていない
部屋の中の見慣れた家具たち
自分の体に触れているシーツ
段々とはっきりしていく意識の中
俺は溜息をついた。
―――――彼女が俺を男としてみることなんて現状ではありえない
理解していた。
理解・・・・していた・・・・
けれど・・・・・
どうしようもなく望んでしまう
俺は彼女に恋をした。
それに、こんな夢を見たのは初めてではない。
最近では夢の中で夢だとわかるようにもなった
それほど頻繁にこの夢を見ていた。
現実では彼女に触れることすらままならない。
現実では彼女は俺に女の顔など決して見せてはくれない。
―――――好きだ
けれど
彼女に俺は心を奪われたのに
彼女は俺に気付かない
教師 / 生徒
その微妙な関係、狭間で俺は揺れる
彼女を困らせたくない
―――――彼女を手に入れたい
彼女を苦しめたくない
―――――彼女が好きだ
想いは日に日に増し
俺は夢の中で貴女を抱きしめる
いつか
彼女にこの想いが伝わるように
いつか
彼女にこの想いを伝える事ができるように
俺は夢の中でも彼女を求める ―――――
END
++あとがき++
夢オチシリーズ★
ちなみにこの小説、初めは竜クミでした。
でも、なんか誰でもいけるような気がしたんで○クミに直しました。<笑>
なんてったって、名前なんて1回しか出てなかったんで・・・・
h18.7.25
戻る |