ただ、どこまでも柔らかな感覚が世界を包み込んでいる。









――――あたしもお前のことが好きだ・・・・









告白した俺に、
彼女が真っ赤になりながら、それでも嬉しそうに応えた。














++++ イトオシイヒト ++++














彼女の返事はYES。









NOではなく














YES――――














彼女の返事を聞いた俺は、
嬉しさのあまり、感情のまま彼女を強く抱きしめた。




そんな俺の突然な態度に驚いた彼女は
頬を熟れた林檎の様に染めて恥らっていた。




彼女はしばらく羞恥心のために自分の腕の中でモガモガと暴れていたが

どうやら俺がどうやっても放れないということを理解したのか、

やがてそれも収まり彼女のぬくもりを感じた―――――




それでもまだブツブツと諦め悪く何か言ってるようで、

心底納得していないと言いたいのだろうが、

彼女の様子を上から微かに覗いてみると

耳まで真っ赤になっているのがよく見えた。









それから少しして彼女のぬくもりを背に感じた。









彼女は理由をつけて渋々と抱きしめていると言っているが、

それでもその様子がその声が幸せそうで嬉しかった。














ああ・・・・




なんて、愛しいのだろう・・・・・・














―――――でも俺はここが夢だと知っていた―――――














ああ・・・・




なんて都合のいい夢・・・・・














――――こんな都合のいい夢を俺は一体幾度見た?














―――――夢から覚めるたびに感じる焦燥感














――――――抱きしめる事さえ出来ないぬくもり














あまりの切なさに知らぬうちに涙を流した事さえあった














けれど

どうか今はまだ覚めないで―――




俺は夢の中でそんなことを願った




それは全て夢だとわかっていた――――














―――夢の中の客観的な俺が言う














―――彼女ハ俺ニ女ノ顔ナド見セナイ―――














それでも俺は

不思議な違和感に囚われながらも

この夢が覚めてしまわないことを俺は願った




この恋はつらい




だから

だからどうか今だけは














――――優しい残酷な夢をみさせて・・・・・・・














どうか夢の中だけでも貴女の愛を手に入れさせて














どうか俺を選んで――――














どうしようもなくイトオシクテたまらない














イトオシイヒトよ・・・・





























END














++あとがき++
お久しぶりです!!
お久しぶりの一発目が『夢オチ』にございます。

今年は『夢オチ』からスタート★

で、皆さん初夢見ました??
私はまだ見てない気がするような・・・・なんか覚えてません。(汗)

今回の感想。

今回は、

『夢の中だけでも自分を愛して・・・・・』

って、感じを目指しました。(まんまやん・・・・)
いっつも、夢じゃなければいいのにとかなんで・・・・・
まぁ、色んな小説作れるようにのんびり頑張ってみます。。

h19.1.8


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