世界がジワジワと侵食されはじめる
あの言葉一つで、
俺の光に満ちた世界は闇へと落ちてゆく
ああ、どうして・・・・
胸に確かに宿る想い
それが徐々に崩れてゆく
俺はあいつが好き・・・・・・
だった・・・・・
++++途切れた想い++++
俺の恋心はあいつの
美雪の言葉で無残にも砕けた―――――
幼馴染だから
いつも側にいた
幼馴染だから
友達の誰よりも近かった
幼馴染だから
友達の誰よりも内を理解していた
はずだった・・・・・・
一番言って欲しくなかった
一番聞きたくなかった
あいつの口から一番言われたくなかった―――――
なのに・・・・・・
――クセニ――
終わった恋
――マゴ ノ クセニ――
エグラレタ心臓
――キンダイチ コウスケ ノ マゴ ノ クセニ――
じゃぁ、俺は何?
俺の価値は?
俺は『キンダイチ コウスケ』じゃない
なのにいつも俺じゃなく、じっちゃんが必要とされる。
なぁ、俺っていったい何?
俺は俺なのに、お前まで俺を否定するのか?
大切だから守りたいと思った。
好きだから愛しいと感じていた。
けれどその瞬間に、何かが崩れてしまった。
崩れ落ちてしまった。
大切。
大切。
本当に大好きな人・・・・だった。
心のどこかで、何かが心底冷めてしまった。
あんなに熱をもっていた感情が今では湖の底のように冷えきってしまった。
あぁ、本当にこの恋は終わってしまったんだ。
いや、自分で終わらせてしまったんだ。
そんな無残な言葉を残して・・・・・・
けれど、あいつが友人として大切であるという気持ちは消えなかった。
長年側にいた幼馴染。
もうあいつを好きだとか愛しいとか
そんな気持ちを感じることはきっと――――― ない
ただ、
大切な幼馴染として
大切な友達として
俺は彼女の側に居るだろう。
この恋を終わらせたのはあいつ。
けど、俺を必要としたのもあいつ。
だから俺はあいつの側に居る。
俺にとって大切な女の子だったから――――――
END
++あとがき++
随分前に書いた金田一!!
それも初悲恋ですよ!!
で、当時これ作ったのには理由があります。
それは今回この小説でも使った。美雪のセリフです。
ええ、あのセリフが気に食わなかった。
そして、あのセリフがなければ
私はこんな相手をバッサリ切り捨てる悲恋系小説は作らなかったですね。
それほど私に衝撃を与えたセリフでした。
今回、亀さんが金田一の時の美雪さん。
別に嫌いじゃなかったです。
「頑張る美人さんや〜。頑張れ〜。」みたいに見てました。
むしろ、美雪さんに私は好感持ってました。
けどアノ言葉を聞いた瞬間。
私の中の美雪さん株が大暴落を起こしました。
それも自分でもビックリするくらい大暴落を起こしてました。
<例えるなら、そりゃもう頭の神経がブツッとキレるくらいに<苦笑>>
「××××のクセニ」
人間。
誰しも言って欲しくない言葉があります。
それは精神的に心を蝕む呪いのような言葉。
「キンダイチコウスケノマゴノクセニ」
この言葉を聞いた瞬間。
私はこの美雪さんにとんでもない不快感を覚えました。
な・の・に、
『キンダイチ コウスケ』の名前を出して、
『キンダイチ ハジメ』を否定したくせにハジメを必要とした。
そりゃ、コウスケ居ないから仕方ないって言えば仕方ないんですけどね。
でも、私はそれが嫌だった。
たしかにそのセリフを言わないとお話が進まないのかもしれない。
それでも私はこのセリフを聞きたくなかった。
で、その言葉を聞いて
どうしても美雪さんと一さんをくっつけたくなかった私。
どうせなら、その言葉を発した美雪さん。
自分が犯した過ちに気付や(怒)みたいな感じで・・・復讐??
ま、要は
『断ち切れた想いと、それに気付かなかった片思い』な感じです。
それほどに私はあの言葉が嫌いでした。
誰しも自分が否定される時はあるかもしれません
でも自分が信じていた相手に否定されるつらさは
心にとんでもなく深い傷を負う。
関係のない第3者が否定するのとは全然違う。
心を許していた相手だからこそ言って欲しくなかった。
心を許していた相手だからこそ、そう願っていたのに・・・・・
言った本人は相手がそこまで傷つくとは思ってないだろう。
考えずに言った言葉。
それでも言われた本人は少なからず心の傷になる。
心の傷は決して見ることは出来ない。
でもそれは見ることが出来ないだけであって決して軽いものではない。
血が流れていない訳ではない・・・・・
見えないからこそ傷は疼き、
癒えること無く更に悪化し爛れ腐ることだってある。
それを忘れては為らない。
h19.1.9
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