「にゃぁ・・・・」





猫耳をつけた想い人。


少し恥ずかしそうに頬を染めて猫のマネ。





(・・・・・頂いても宜しいですか。)





無言で彼は思った。









+++++ ネコの日 +++++









なんですかね。


ええ、誰かに聞いても宜しいですか?





「何で、あたしの机の上にこんなものが・・・・・??」





こんなものとは『猫耳』。


何故あたしの机の上に??





朝、いつものように遅刻ギリギリで出勤をした3Dの担任、山口久美子。


まぁ、ギリギリが原因でいつものように職員室で教頭にネチネチ嫌味を言われたのは仕方ないとしよう。


やがて教頭の嫌味も終わり、自分の席に戻ると、

昨日にはなかったはずの見覚えの無い紙袋が机に置かれていた。


疑問を浮かべながら中を覗いてみると、

この場にはどうも似つかわしくないものが鎮座していた。


そしてソレと一緒に入っていたのが一枚のカード。


カードには・・・・











『ヤンクミへ


今日は2月22日。

ということで、ニャン・ニャン・ニャンで、ネコの日です。

だから、今日はソレをつけてください。


3Dのみんなより。


PS。ネコ耳はみんなで買いました。ちゃんと付けてね。よろしく★』











これは強制なのか・・・・


なかば諦めたようにソレを見た。





3Dの可愛い生徒たちが自分のために買ってきてくれた猫耳。


喜んでいいのか嬉しくないのか気持ち的には複雑。


いや、自分の為に買ってくれたと考えると、むしろ嬉しい。


というか、本当に嬉しい。


それに、せっかく自分の為にわざわざ買って来てくれたのに付けないのは失礼だ。


あと、少し興味もあった。





袋の中に入っていたのは黒いネコ耳。





髪の色に合わせて買ってくれたのだろう・・・・・


だがこれを付けていいのだろうか・・・・


興味はある。


しかし付けるとなると、ちょっと恥ずかしい。








久美子は職員室で一人百面相をしていた。


だが、やがて・・・・・





「・・せ・・・、・・・んせ・、山・ち・・せ・、山口先生!!」


「は、はい!!!」


「あなたいつまで職員室にいるんですか!!

もうすぐHRでしょ、早く3Dに行きなさい、あなたが最後ですよ!!」


「・・・えっ?」





教頭に言われて、職員室を見回すと残っていたのは自分だけだった。


担任を請け負っていない人も1時限目の授業の準備をするために職員室を離れていた。


今日、久美子は1時限目から自分のクラスだったのでHRの後そのまま授業だった。





「あ、すみません」


「わかってるなら、少しでも早く行きなさい」


「・・・・はいはい。」


「『はい』は1回。」


「・・・はい。」


「よろしい。さぁ、行きなさい。」





そう言って、教頭は久美子に背を向け、

だが本当に時間がなかったため久美子は慌てて3Dの教室に向かった。


そして、遠くから





「廊下は走らな〜〜〜〜〜い!!!」





という教頭の声が聞こえたが、ここはあえて無視した。








さぁ、教室前。








ネコ耳はどうする・・・・・


まだ紙袋の中。


でも生徒たちがワザワザ用意してくれたのだ・・・・・


カードを無視するのは気が引ける。





久美子は教室の前でまだ少し迷っていたが、

とうとう心を決めてネコ耳を装着し「ファイト、オゥ」と小さく自分に気合を入れて、

いつものように教室を開けた。








「みんな、おはよう!!」








Next、分岐・・・・・>>








白金の3Dの教室。


黒銀の3Dの教室。













++あとがき++
文章担当>夕暮。

初・分岐。

なんと、本日「ネコの日」だということで・・・・
急遽、頑張って作ってみました。

それも、分岐モノ。

さぁ、これからどう動くか・・・・
まぁ、続きは・・・・ゆっくり待ってください。(〃´∀`)

***************************************************************************

挿絵担当→たらこ

二時間で一から全て描けというのは無理があります。
なんかもう・・・下描きに色塗っただけになりました・・・。
しかも色塗りも死にたいくらい適当だし・・・
何事も事前に言ってくれないとキツイです・・・orz

そしてこのシリーズはずっと私が挿絵担当らしいです・・・。
私慎クミしか描いた事なi・・・(死
次からはスチルっぽく出来たら良いナとか思ったり思わなかったり。

H20.2.22


戻る