何であいつなんだろう。





どうして俺はあいつしか見れないんだろう。





幾度と無く自問自答は繰り返される。





ソレでも―――――――――









+++++ 甘 い 鎖 +++++









どうしてこんなに焦がれるのか・・・・・・





どうしてこんなに恋しいのか・・・・・・・





そんなのワカラナイ。








気付いたらアイツを目で追っていた





気付いたら誰よりもアイツは心の一番深いところにいた。











全部が、全てが無意識だった。











でもその事に気付いた時には、もうソレは手遅れで引き返せなかった。


否、引き返そうとも想わせないほどに心奪われていた。








誰よりも強い光を放つ黒曜石のような瞳。


   ―――――囚われる。





慈愛溢れる陽だまりのような優しさ。


   ―――――繋がれる。





そして俺を捕らえて放さない柔らかな花が綻ぶような笑顔。


   ―――――ああ、なんて愛しい鎖。








俺だけがその甘い鎖に日々犯され繋がれていく・・・・・








けれど、彼女だけがその事実に気付かない。


何時までもずっと全く気づかない――――――――――








なんて酷い人








なんて残酷な人














なんて、なんて・・・・・愛しい人














お前じゃなければ俺はこんなにも堕落しなかったのに―――――――――





『愛してる』





お前だけでイイ


お前じゃないと嫌なんだ








どんなに想ってもお前は気付かない―――――








瞳がどんなに飢えるように恋しいと訴えても


花が綻ぶような無邪気な笑顔で全て流されてしまう。








でも、この愛しい鎖から解き放たれる事なんて望まない。








いつかきっとお前を手に入れてみせるから、


だからずっと繋がれたままでかまわない。








この甘い鎖が、いつかお前にも繋がるように―――――――――――――――















END





























**後書き**

ちょっと切ないけど、頑張ろうと決めた慎さん。
ブログに載せてたの加筆修正しました。しないほうが良かったかな(−ω−);
H21.8.7


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