* ○←久美子
本当は知ってたんだ。
あなたのあたたかさ―――――
本当は知ってたんだ。
あなたの何気ない優しさ―――――
本当は・・・・・
本当は全部知ってたんだ。
あなたの――――――――――
いつだったんだろう
いったい、いつだったんだろう―――――
何が原因で、
どうしてあたしはこの事に気付いてしまったんだろう
何も知らないままでいたかった。
何も知らずにいたかった。
何も気付かないままでいたかった。
どうして、どうしてあたしは
彼の気持ちに気付いてしまったんだろう―――
彼が優しいから?
彼が微笑うから?
彼が守ってくれるから?
彼が支えてくれるから?
そんなんじゃない、
ただ彼が側にいるとアタタカイから・・・・・・・?
ああ・・・・
理由なんてどうでもいい、けれど私は気付いてしまった。
本当に知らないままでいたかった。
本当にまだ気付かないままでいたかった。
でも、あたしは気付いてしまった
彼の気持ちに気付いた時
自分の気持ちに気付いてしまった―――――
ああ・・・・・
だからまだ知らないままでいたかった。
だからまだ気付きたくなかった。
あたしは彼を想っている。
彼の気持ちに気付いた時、あたしは凄く嬉しかった。
どうして嬉しかったのかを考えた時、
その理由に気付いた。
あたしは彼を想っている。
あたしは彼に好意を寄せていた。
だから気付きたくなかった。
まだ知らないままでいたかった。
せめて、全てに片をつけてから自分の気持ちに気付きたかった。
だから、今は精一杯気付かないフリをする。
それが今あたしに出来る精一杯の事だと思うから―――
自分の気持ちに鍵をかけよう。
でも、
でも全て終わったら?
そうしたら、
そうしたら、
あなたに私の気持ちを聞いてもらおう
もしかしたら私の勝手な想い違いかもしれない。
それでも、
私の中に宿る気持ちは確かにある。
きっと、駄目だったとしても
悔いは残らない。
だって、
それでも私は彼の事が――――
『私――――――・・・』
Fin―――
後書*
彼、というか相手の男の気持ちに気付いた時、
自分の気持ちに気付いた久美子さん。
でも、卒業前だから今の関係はやばいと思って
自分なりに必死に気持ち隠してます。
h19.2.16
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