「テンコウスル」




修二のこの言葉を聞いて野ブタは彰の部屋を飛び出した。









++いつかあなたに伝える言葉のために++









冗談なのかと修二に問いただしてもヤッパリそれは事実みたいで、
俺は野ブタを追いかけた。





しばらく野ブタを探しながら走っていると


野ブタは近くの公園にいた。


この公園は、あの写真の場所だった。


その瞬間、胸にドロドロとしたものが溢れてくる。








俺はこの場所に来たくなかった。








しかし、彼女はそこにいた。


野ブタはよく見ると声を殺して泣いていた。


あまりにも、切なく苦しそうに泣く姿。


その姿が、胸の中に鮮明に入ってくる。


そして気付けば、ドロドロと溢れていたものは消えていた。





俺が近づいても野ブタは泣くことをやめなかった。





あまりにもその姿が愛おしくて、つらそうで・・・・


俺は自分のマフラーを野ブタにかけた。





けれど、本当はマフラーをかけるのではなく強く抱きしめたかった。








その細い腕を


小さな肩を


強く、強く抱きしめたかった。








でもそれはできなかった。


大切だから、俺は触れないことを選んだ。


ただ、彼女が落ち着くまでそばにいた。








好きだよ。


大好きだ。


いつの間にか、こんなに好きになっていた。


自分ではどうしようもない気持ち。


ただどこまでも、とめどなく愛おしくあふれる気持ち。








君がいつか、心から笑ってくれる日が来るように


その日までこの気持ちは君には伝えないでいようと思う。








「好きだよ」








いつかその言葉を君に伝えるために・・・・・


今はただ甘い痛みとともに君の傍にいるから。








たとえ君が俺のことを好きでなくとも・・・・・・








俺はずっと君を想うから














END














++あとがき++
皆様。お久しぶりです!!
かなり久しぶりの小説更新です。(=□=;)
最近何かとバタバタしてて、久しぶりに書いた作品なんで・・・・・微妙だ。。。orz

ついでに、ドラマに沿ってるからドラマ見てないと全然意味わかんないと思う。( ̄ロ ̄lll)
それも作品の時期が・・・・・今の季節と全然違う。
すみません。毎回季節感なくて・・・・・(´;ω;`)

h19.7.31


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