護りたかった


護りたかった


俺では護れなかった





そして大切だった君を


俺は永久に失ってしまった・・・・









+++++失ってしまったものはあまりに大きくて+++++









あの戦いも終わって数年が過ぎた。


今ではあの頃が嘘のような平和な日々が続いている。





小さないざこざは所々であるが


昔のように大きな戦などは無かった。





本日の天気は快晴。


どこまでも高く青い空。





けれどそんな天気のいい日。


京の広い屋敷に・・・・


ただ、自分ひとりだけが取り残されていた。





景時は久しぶりの暇を持て余していた。


天気は良いのに、出かける気も


大好きな洗濯も今はする気になれない・・・・











『孤独』











・・・・・だと気付いてはいけない。


理解しているけど、それを認めてはいけない。





景時は庭で一人、高い空をただ眺めていた。


ただ昔を思い出しながら・・・・・・





「この屋敷には、君との思い出が・・・多すぎるね・・・・・・」





ただ言葉が溢れた。


ツライのならこの家を売ればいい。


思い出したくないのであればこの家を出ればいい・・・・





けれど、そんなことも出来ない。





君との思い出を一つでも無くしてしまう事が辛くて・・・・・


俺はずっとこの場所を動けないでいる・・・・・





独りになると覚悟したことは後悔していない


いずれこうなる事もわかっていた





君の敵になって


君との繋がりである宝珠を失くしてしまったことも


たとえ君の敵になるとしても


俺は俺なりの方法で君を護りたかったんだ・・・・・








あの時から


誰もいない広い屋敷を一人で過ごすことから、もう数年が過ぎた。








君は九郎たちと共にこの地を去った。








けれど、


未だに俺は


この地にはいない筈の君の面影を探している・・・・・





今でも他の八葉のことや朔のことも気にかかっている。





けれど、


ふとした時


君がもうここには居ないんだと思い知らされる―――――





会いたいのに会えない


声が聞きたいのに聞くことも出来ない





全てが君に届かない・・・・・・





失って初めて、


こんなにも君が大切な存在であったのだと改めて気がついた。


俺は俺が思っている以上に君に心を奪われていた。





君が離れていく・・・・・





その事をどんなに悔やんだか知れない―――――





愛しくて


愛しくて


愛していた


どうしようもなく、君を愛していた・・・・・・





だから君がたとえ九郎を選んでいても


俺は他の皆のように君をずっと愛していた。





でも、もう全てが遅すぎる・・・・・


伝えることも叶わない、どうしようもない想いだけが


日に日に大きくなっていく―――――





君は今も遠い地で幸せにしているだろうか・・・・・





遠く、遠く離れてしまったけれど


このどこまでも高い空が俺と君をつなぐから、


俺は君が幸せであることを祈り続けるよ―――――





でも時々でいい


自分で終わらせてしまった、この儚く淡い恋に花を・・・


君への愛を贈らせて・・・・・・








「望美ちゃん・・・・・・


俺は・・・・これから先ずっと誰よりも・・・・君のことを愛してるよ」








届かない想いと共に・・・・・・








風は緩やかに空に舞った―――――














――――――――― End














>>>>>あとがき
お久しぶりです。
こっちの部屋の更新もかなり久しぶりです。(〃´∀`)ノ

もっとマメに更新できたらいいのですが、、、、
いかせん・・・体力が無いもので・・・・・(ノд`;)

もっと頑張ります。(´・ω・`)

h20.2.9


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