イタイ

この痛みはなんだ・・・・・



イタイ

この気持ちはなんだ・・・・・




それは・・・・・











++++++ 青 空 ++++++











放課後・・・・

それはまさに決戦の時というに相応しいだろう。





あいつが男にチョコを渡した。





明らかに俺たちの時とは包装も量も違う、それ。

それを受け取ってもらえたあいつは本当に嬉しそうだった。








ジリッ・・・・・












・・・・?












どこかで何かが痛むのを感じた。

それはまるで何かがゆっくりと焼け付くような、
焦げ付くようなジクジクとした鈍い痛み・・・・・




竜は無意識に胸を押さえた。






「・・・竜どうしたの??」






タケがふと竜に話し掛けた。


「・・・・・べつに、なんでもない」

「そう?・・・・ならいいや」


タケはそういって竜に問いただそうとはしなかった。




けれど、なおも痛みは続いた。









―――― イタイ・・・・・・









あいつは今までバレンタインというイベントに参加したことがないといい、
クラスの奴らがあいつを炊き付けたのが始まりだった。



だから俺も含めてクラス全員あいつからチョコを貰うことが出来た。





けど、チョコを作るきっかけは俺達でも本命はあの男・・・・・・
俺達のは世に言う義理・・・・









イタイ・・・・











イタイ・・・・













イタイ・・・・













あいつのあんな姿をみたくない。

あんなに嬉しそうな姿を、笑顔を他の男に見せて欲しくない。



竜はそんなことを考えていると、ふと疑問に思った。










――――・・・・・なんで俺はそんなことを思うんだ?









あいつはあいつの好きなようにすれば良いだろ・・・・

なのになんでこんなに胸が痛む・・・・・・・










―――― イタイ










何でそんなことを感じるんだ?
この気持ちは一体なんだ・・・・・?






ただ体中を疑問が駆け巡る・・・・









――― 何故?









―――――― 何故?









――――――――― 何故?











その時、やっとあいつが俺たちに気がついた。

あいつの意識は男から俺達に向けられ、
あいつは男をそのままに俺達を追ってきた。

羞恥心というのか、ただ見られたことが恥ずかしくて追ってきたようだ。




俺達はただあいつから逃げる。




そんな時、不意に隼人から声がかけられた。



「どうした竜。なんかめずらスィ〜♪」
「?・・・何が?」

「なんかイイことありましたぁ〜♪♪」
「はっ?」
「ん??・・・・なんだ竜、気付いてないのか?お前笑ってるぞ?」


「な!」




竜は隼人に指摘されて始めて自分が笑っていることに気が付いた。







――――・・・・・イイコトって?







「気付いてなかったのか・・・でもま、あいつが担任だとホントおもしれぇ♪」
「・・・・・・たしかに退屈はしない」
「俺も、竜が笑いたくなる気持ちわかるわ♪」



「・・・・・・・・・・・・・」



あいつから逃げながら隼人とそんなことを話した。
俺にそんなことを言った隼人も楽しそうに走っていた。








ジリッ・・・・








竜は、また不意に胸を押さえた。















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ごめんなさい!!
まだ続きます。


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