そういい終えると、


慎は何だか少し居心地が悪るそうにしていた。


その様子をまじまじと見ていた久美子は








「・・・・・・・お前、優しいな」








慎の投げやりな、


それで自分の事を気に掛ける言葉を聞いて、


まるで花が綻ぶように優しく笑った。














トクン。














その瞬間、


慎の鼓動が一際大きく跳ねた。











ああ、俺ばかりが囚われていく・・・・・・


どうしてこんなに愛しいのだろう


どうして俺の感情に気付いてくれないのだろう。











「あ、そうだ沢田。

お前うちに来たついでに飯食ってけ、お前なら大歓迎だ。

それに、お前将棋強いからおじいちゃんがまた連れて来いって言ってたんだよ。」








な!!名案だ!!と、久美子はにこやかに慎に提案した。


しかし慎はその申し出を断った。








「・・・・わりぃ、今日は帰る」


「え、・・・・・そっか、お前にだって予定あるよな・・・」








まさか断られるとは思っていなかったのか、


その返事を聞いた久美子の表情は少し寂しそうだった。








「・・・・ああ、でも、今日トランプに付き合った礼は貰うから、」








そんな事を言った慎は


どこか妖しさを含んだ笑みを浮かべ久美子に近づいた。








「??おい、礼って・・・・」


























ちゅっ


























「へ?・・・・―――――――〜〜〜〜〜っ!!」








それはまさに一瞬。


掠め取るような出来事。








久美子が礼について慎に問いかけようと声を掛けた次の瞬間、


慎に顎を固定され、音を立てて頬に柔らかいものが触れて離れていった。








頬に触れたのは・・・慎の唇―――――








「・・・・・・・また明日」








そう言って名残惜しそうに久美子の側を離れた慎は、


何とも言えない切ない表情を浮かべていた。











本当は唇に触れたかった。


薄い桜色の淡い唇。


きっと何よりも甘く、何よりも愛おしかっただろう。


けれど、こいつを困らせたいわけじゃない。


だから、頬に触れるだけにするから、


どうか、少しでも俺に気付いて、、、、











久美子はキスされた頬を押さえ、真っ赤になりながら慎を見送っていた。


しかし正確には、久美子はただ動揺しすぎて動けなかっただけであるが、、、








触れられた箇所が酷く熱い。


そこだけが別の熱をもっていた。








コレハナニ?





コノ感情ハ何ダ??








  トクンッ








    トクンッ








      トクンッ








        トクンッ――――

















          ドクンッ!!


















胸が熱い・・・・





顔が火照る・・・・





どうして・・・・・?

















慎はもと来た道へ、家路へと向かう。





だが少し離れたところで


ある事を思い出したて久美子に問いかけた。








「・・・・おい、あのトランプ誰のだ?」


「//////・・・・ふへ??」








久美子は急な質問に気の抜けた返事を返した。








「・・・・今日使ったトランプ誰のだ」


「あ、えっと・・・・・・誰のだ??」


「・・・・・・・とりあえず、代わりのトランプ用意しとけ」


「・・・・なんで?」








久美子はキョトンとして返事を返した。


その様子を見た慎はまた溜息をつきたくなったが、ここは堪えて話した。








「お前が負けそうになるたびにトランプ力入れて持ってたせいで

トランプが折れ曲がったり皺がよってんの気付いてなかったのか?」





「・・・・あ」





「人の物だ、考えて使え」


「ハイ・・・・・」





「じゃぁな・・・・・」





「え、ああ・・・・また明日学校でな・・・・沢田」














久美子はその日、


寝る前に慎のことを考えた。


頬に微かに触れた、自分のものではない唇


なんだか考えるたび、その箇所を手で触れるたびに少しドキドキして





胸がほんのり温かくなったような気がした―――――





だが、やがて久美子は寝入ってしまったおかげで


自分の気持ちにまだまだ気付かない。








だが、何かが生まれたことは確かで、、、








慎は今日教室にいたおかげで久美子にどれだけ近づけたのだろう。


久美子は慎への新しい感情の芽生えに何時気付くのだろう。








それはまだもう少し先のお話。















END















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++あとがき++
終わりました!!とうとう完結です!!
いやぁ、長かった。

全6話。

でもって、最後が中途半端でゴメンナサイ。lllorz
本当にゴメンナサイ。

文章能力低くて・・・・・
くぅっ・・・もっと文才があれば・・・・・
もっと違う言い回しとか使いたい表現とかいっぱいあったのに!!

ついでに中途半端だし・・・微妙に甘いし。

ああ、もっと、なんかもっとこう
あああああああああああ、もう、どう言ったらいいんだ!!モドカシイ!!(逆ギレ)

ですが、長い間お付合いいただいてありがとうございました。+。:.゚ヽ(´∀`。)ノ゚.:。+゚

また、なんか作ります。
H20.4.10


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