(はぁ、・・・・絶対忘れてる)





慎は確信していた。














「ん?・・・・ああそれは教室閉めにって・・・・・ああああ”あ”あ”!!














久美子はあわてて自分の腕時計を見た。


腕時計を見れば

教室に鍵をかけようと思ってやってきたのはもう1時間以上前。


教室は1時間前と比べると少し・・・というか大分薄暗くなっていた。


それを確かめるように外を見れば空には少しずつ闇が迫っていた。








「・・・・・ばーか」








「な!!なんだと!!沢田!!

お前担任の先生にバカバカ言いやがって!!少しは敬え!!」


「・・・・お前教室閉めに来て、なんでババ抜きやってんだよ」


「うっ・・・・そ、それは・・・・・」








「それは?」








そう、久美子に問いかけた慎の表情は今まで見た事がないような

至極、極上な表情だった気がした。


と、後日久美子は語った。








「・・・お、お前がまだ寝てたから起こして、

起こした後に、偶然机の上に出しっぱなしになってたトランプ見つけて・・・・」





「・・・で?」





「そういや、トランプなんて久しぶりに触ったなぁと思って、

沢田いるし、久しぶりにトランプで遊びたいなぁと思ったわけで・・・・」





「ああ、そうだったな。

俺を無理矢理起こして・・・早く教室から出てけって言った癖に・・・」





「そ、そこまできつい口調じゃなかっただろ、もっと優しく起こしただろ!!」





久美子は慎の言い草にすぐさま反論した。














「『沢田お前まだ寝てるのか、起きろ!!教室閉めるぞ!!』」
















「そうだ。」


「耳元で叫ぶヤツは優しくねぇよ」


「うっ・・・・・・」





慎は少し溜息をつきたくなった。





「で、俺が教室出て行こうとしたら急に呼び止めて、

いきなり何だ?と思ったら『ババ抜きの相手をしろ』ときた・・・・」


「ううっ・・・・・・・」


「それで相手をしたらしたで、今度はお前が納得するまで放してくれない。」


「うううっ・・・・・・・」





久美子は、本当に申し訳ない気持ちになってきた。





「で、俺に言うことは?」














「ゴメンナサイ」














「はぁ、・・・・・・帰るぞ」


「ハイ。」





「早く準備しろ」


「ハイ。・・・・・・って、へっ?」





「・・・・・なんだ?」





「早く準備しろって・・・・?」


「ああ、俺もお前に付き合ってやったんだから、お前も俺に付き合え」





「えっ!!」





「文句は言わせない」


「いや、別に文句は無いぞ・・・・あたしは嬉しいし・・・・」


「なら、問題ないだろ・・・・」


「・・・あ、お前もしかして、あたしと一緒に帰りたいのか!!」















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++あとがき++
やっと帰ります。
やっと教室から出ますよ〜〜(>д<)ノ

さぁ、お家へKAERO★

それも、慎さん何気に久美子さんを帰路に誘ってますから☆
何気に積極的です。

で、久美子さん相変わらずニブニブです。

H20.2.27


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