全ては小さな心の欠片





想いは始まり

擦れ違いに傷つき





お互い癒すことすら知らず

それでもただ求め続ける。





欲しいものは気付けば本当はすぐ側にある。

でも近くにあるからこそ見えにくいものである。














+++++ 休 日 +++++














今日も今日とて大江戸一家はいつもと変わらず、清清しい朝を迎えていた。


そんな中、一人遅くに起きた久美子はボサボサ頭のまま居間にやって来た。





「「あ、おはようございます!!お譲!!」」





てつとミノルが久美子に元気よく挨拶をした。





「ふぁ・・・・ああ。およう・・・ところで、おじいさんは?」





久美子は欠伸を噛み殺しながら、昨日のとんでもない出来事で心身ともに疲れていた。


だからなのかいつもより今朝はテンションが低めである。





「ああ、三代目でしたら、今日は朝早くから所用でお出掛けになられております。

お譲も起こして差し上げようと思いましたが、昨夜、お譲のお体の調子がよろしくなかったと言って、

そのまま寝かせておいた方がよいと三代目が申しましたので・・・・」


「ふ〜ん・・・そっか」





久美子は昨日家に帰ったと同時に体調が優れないと言って、ご飯も食べずに部屋に篭ったのだ。





「お譲・・・今日もお疲れがヒドイようですが、いったいどうしたんですかい?」





てつが久美子に心配そうに問い掛けた。


それはそうだ。

てつにとって久美子はお嬢以上の存在だった。

確かに久美子は大江戸一家にとってはなくてはならない人。

しかし本人に大江戸一家を継ぐ気はなくとも、それ以上にてつにとって久美子は大切な人なのである。





「エッ!!!・・・あ、いや・・・・何でもないよ」





久美子は少し慌てたが平静を装った。


しかし、久美子が隠し事など出来るはずも無く、何かあったのはバレバレだった。


けれど、根が素直なてつとミノル。


久美子の言葉を少し疑問を持ちながらも信じていた。





「・・・・それなら良いんですが・・・

昨日も学校から帰って来られたお譲は、ご様子がおかしかったので・・・・」





てつはまだ久美子の体調を心配していた。





「また・・・・3Dの連中が何かやらかしたんですかい?」





ミノルもテツに便乗して聞いた。





「や、やだな〜、2人して、あいつらは別になに・・・も・・・・」





そんな事を言った久美子は、

ふと昨日の事が頭の中をよぎったため、てつ達の前で急にポンッと真っ赤になった。





「ど、どうしたんですかい!お譲!!」





ミノルは久美子の急な変化に驚いた。





それを聞いた久美子は慌てて片手で顔を隠し

「あ・・・・いや・・・・何でもない」と歯切れ悪く応えた。


二人は久美子のその状態を心配そうに見守っていたが、

そう言われてしまえばこれ以上問うことなどできなかった。


そして、てつは久美子の状態を見て内心、





(もしかしたら、お譲のクラスにいる沢田が何かやったんじゃ・・・・)





と、胸にどうしようもないほどの不安を抱えた。





それからしばらく久美子は二人と簡単な会話を交わした後、
行くあても無く軽装で家を後にした。


ただ家で悶々と答えのないことを考えていても、どうしようもないと結論付けたからだ。


家で悶々と考え事をするより、
外で気分転換しながら散歩でもした方がまだ幾分かマシだった。














しばらく歩いていると久美子は広い児童公園にやって来た。














今日は休日で公園には親子連れの家族らが数組、微笑ましく子供と戯れていた。


久美子は公園のベンチで一休みすると同時に

昨日寝る前にうんうんと長時間考えていた事をまた考えはじめた。








(はぁ・・・・・・昨日は本当に・・・・本当に、いろんな事があった。)








傍目から見れば久美子の姿はまさに、グッタリと言った表現が似合うだろう。

それほど久美子は疲れていた。





始めに学校に行く途中、
あたしは篠原さんに会ってかなり機嫌が良かった。


それも合コンの約束まで取り付ける事が出来た。


あたしの心は天に舞い上がるかのように浮かれていた。


それから沢田に会って・・・あれがあった。





・・・・・沢田は本気なのか?


本気と書いてマジなのか・・・・・・





けど、もしかしたら沢田は私の事からかってるのかもしれない、


でも沢田は、こんな卑劣なからかい方なんてしない・・・・





それだけは・・・わかる・・・。


あんな、真剣な目で、真剣に訴えかけられたら・・・・・・


いくら鈍いあたしでも気付く。





でも・・・・あたしと沢田は教師と生徒・・・





世にゆう・・・・・・『禁断の仲』。


・・・・・生徒に手を出さない。当たり前だ。


なのに、手を出されたらどうすればいいんだ・・・・








・・・・・・・・・・








・・・・・・・・・・・・・・








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








・・・・・・・・・・・・・ああああああぁぁぁぁ”ぁ”ぁ”あ”あ”!!!!!!!!!!








もういい、とりあえず、沢田だ!!


今度会ったら沢田を殴る。


もう考えたくない!!


有無を言わさず張ったおす!!


今思えば、あたしの「ファースト・キス」を沢田は奪ったんだ!!


だから絶対に、殴る!!








久美子は追い詰められていた。


そして無理やり完結に持っていこうとした・・・・・・・




















to be next・・・・・・>




















++あとがき++
どうも。かなりお久しぶりです。ええ、いろんな意味で・・・・・lllorz

色々あって、いや、本当になかなか更新できませんでしたが、
今日は頑張ってみました。

随分前に載せた、ストーリーの続編ですよ。

やっとこさ載せることが出来ました★
ていうか、載せれるの奇跡に近いよ・・・・・(笑

更新は鈍亀並のスピードですが、頑張るつもりです!!



h20.6.11


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