年が明けた頃、
とある一室でとある痴話喧嘩がありました。
「っっ!!絶対に嫌だ!!
お前はそれだけじゃ止まらないだろ。だから嫌だ。」
「なら俺も嫌だ。」
「ワガママ!!」
「ワガママで結構、俺はお前だからキスしたいんだ・・・・」
慎は優しく久美子の髪を一房とり、ちゅっと音を立てて口付けた。
+++++ kiss +++++
「慎・・・・・・って、騙されないぞ。」
「ちっ。」
「今、ちっ。って、ちっ。て言いやがったな、このやろう!!」
ああ、なんて色気の無い会話なのだろうか・・・・
白金高校の3Dの元担任 山口久美子。
そして、その高校の3Dの卒業生 沢田慎。
色々な障害を乗り越え、
とうとう恋人同士になり最初の年越しです。
まぁ、何だかんだ言って沢田慎の粘り勝ちとも言えましょう。
あの天然で、恋愛にはトンと疎い山口久美子を色々なライバルから守り通し
とうとう恋人同士になったのですから・・・・・
そらもう、とんでもなく苦労したでしょう。
で、上の痴話喧嘩の元は数分前にさかのぼります。
「あけましておめでとう。慎。今年もよろしく!!」
「ああ、あけましておめでとう。久美子、今年もよろしく。」
とある昼下がり、久美子は明るい声色で恋人の部屋にやってきた。
本当は色々と忙しかったが、何とか時間を作って会いにきた。
慎も久美子を快く部屋に招きいれた。
久美子は慎にココアを入れてもらい、
机をはさんで向かい合って座り、暖かな空間を過ごしていた。
「なぁ、慎。」
「ん?」
「・・・・やっぱり、なんでもない」
「そっか」
「あったかいな」
「そうだな・・・・・」
ただ、幸せそうな緩やかな空気が流れ二人を包んでいた。
「あ、そうだ、今から初詣に行かないか?」
「・・・ああ、別にかまわないぜ」
「よし!!じゃ、行こう。カップは私が片付けとくから、慎は出かける準備。」
「ああ」
入れてもらった飲み物も飲み終わり数分後、一息ついて久美子は出かける案を出した。
で、その案が決まると即実行!!と立ち上がり、行動を始めた。
久美子はガチャガチャと机の上に置かれたカップを片付けた。
「・・・・なぁ、久美子」
「ん?なんだ??」
「・・・ちょっと、こっち来い。」
慎は出かける準備といっても上着を羽織るだけだったのでのんびりと動いていた。
そして慎は片づけをしている久美子をずっと見て、やがて手招きした。
「??」
久美子はわけもわからず、慎の傍まで行った。
「なぁ、抱きしめていい?」
そういうと、返答も聞かずに慎は久美子を抱きしめ、
すっぽりと胸の中に納まる久美子に慎は愛おしさをかみ締めた。
しかし急な行動に驚いた久美子はおかしな声を上げていた。
「え!!って、わぁ!!って、ちょっ、慎??」
「なんか、夢みたいだ・・・・・」
「・・・・へ?」
「こうして、ずっとお前がいる・・・・ずっと望んでた。」
「・・・・・・」
「時々ひどく不安で、全部が夢なんじゃないかって、思う時もあった。」
「慎・・・・大丈夫、夢なんかじゃないよ。
あたしだって、今が本当に幸せすぎて夢なんじゃないかって思う時もある。
でも、これは全部現実で、あたしもお前もちゃんと・・・・恋人同士なんだ。」
言ったことが、ちょっと恥ずかしかったのか久美子は顔を赤くして伏せた。
(ああ、なんて愛しいんだろう・・・・・)
「・・・今年も、来年も、こらからも先もずっと、よろしくな・・・・久美子」
「慎・・・・・・・・って、それってプロポー・・・」
「ああ、プロポーズだ」
「〜〜〜〜〜〜!!!」
その言葉に久美子は、また真赤になってしまった。
けれど久美子は、どこか嬉しそうで幸せそうに慎に体を預けた。
「なぁ・・・」
「ん?」
「キスしていい」
久美子は少し照れたように頬を染めて・・・・・
「・・・・・・嫌だ。」
「・・・・・・・は?」
そう、普通ならここで「うん」とか言ってキスしてハッピーエンドなんだろうが、
相手があの久美子さんなんで早々上手く行くはずもない。
久美子は慎に、にっこりとキレイに笑って、否定の言葉を返した。
To Be Next・・・・・・> |
++あとがき++
も、ちょっと続きます。
でも、未だこんなラブラブは書いたことがない・・・・初の挑戦です。(=□=;)
オカシクテモ笑って許してください。(´・ω・`)
でもこれ本当は・・・・・お正月用だったんですけどね。
ずれにずれてバレンタイン・・・・・・なんだか少し切ないです。(ノд`;)
やっぱり時期が合わない・・・・lllorz
H20.2.14
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