「隼人・・・・・」

そこには、般若のようなオーラを全身にまとった竜が静かに佇んでいた。









あ、ちっとやべぇかも・・・・・・・














+++++ おべんとう +++++














それは事が起こる数分前・・・・・









「山口・・・・お前少しは綺麗に食えよ・・・・・」

「へ??」

「てか、なんでお前がここにいんだよ。」




「いいじゃねぇか、人がどこで飯食っても。
なんだ、あたしは屋上には来るんじゃねぇってか!!」




「いや、そこまで言ってねぇし・・・・・」

「ならいいだろ」









そんなことをのんきに言いながら、久美子は昼食を食べていた。

なんだか隼人は久美子のそんな様子に頭が痛くなった気がした。











てか、なんでこいつはこんなに無防備なんだよ。

ここは仮にも男子校だぞ・・・・・・











それでも久美子の隣をさりげなくキープしているあたり抜け目はない。


けれど久美子はまったくもって気付いていなかった。
そして何気なく隼人に話し掛けた。









「なぁ、矢吹・・・・」

「なんだよ」


「他の奴らはどうした??」


「他?・・・・・あぁ、あいつらね。」

「そ、小田切に武田。あと土屋に日向。」


「あいつらは、昼飯の買出し。」


「お前は??」




「俺は、見ての通り場所取り。
ま、俺が来る前にお前が居て、先に飯食ってたけど・・・・」




「ああ、今日はいい天気だろ。まぁまだ結構寒いけど、
それに風もそんなに吹いてなくて暖かいから、久しぶりに外でご飯食べようと思ってさ。」









そんなことを嬉しそうに久美子は隼人に話した。

隼人はそんな久美子の様子を見て、なんだかあたたかい気持ちになれた。









「ふ〜ん、なるほどな・・・・」









隼人はこの言葉を言いながら優しく微笑っていた。

きっとこの時のこの微笑を世にいう女子高生たちが見たら、
奇声をあげて卒倒したり、鼻血を噴きながら眩暈を起こしたりしただろう。

それほどに、優しく憂いを含んだ素晴らしい微笑だった。




というか、もの凄いフェロモンだった。




しかし、やはり当の本人、山口久美子はそのことにはまったく気付いていなかった。









「・・・・・・ふぅ、ごちそう様でした。」

「はいよ、お粗末様。」

「・・・・・・・・・矢吹、お前、妙な言葉知ってるんだなぁ。」




「べつにぃ、なんとなくごちそう様って言われると、
お粗末様って付けたくなるだけだからいいだろ。」




「うん、いいと思うぞ」



「ふん、ほめたって何もでねぇよ。」



「・・・・・・お前もしかして照れてんのか?」

「は、なに言っちゃってんの?俺が照れる?冗談やめてくだパイ。」









そんなことを言った隼人だが、
ほんのり耳が赤くなっていたのを久美子は見逃さなかった。











「ふふっ、照れるな照れるな。あたしは本当にイイコトだと思うぞ。」











久美子は、やわらかい笑顔を隼人に向けたまま話した。











だからこいつは!!!

なんでこんなに、綺麗に笑うんだよ!!!











「いや、だから話し聞けって・・・・・てか、飯だらけだぞ」

「は??」

「いや、は??じゃなくて・・・」

「矢吹、きちんと主語をつけて話せ。じゃないと会話が理解できない。」




「だから、口のまわり!!」




「マジ!!」











隼人に言われた久美子は手で己の顔を探った。











「いや違う、そこじゃなくて、そこだってば」



「だーーーーーーーーーー!!!!
そこ、そこ、って言われても「そこ」じゃわかんねぇだろうが!!」



「お前が逆ギレしてどうすんだよ!!」





「ハイ・・・・・・」





隼人に注意された久美子は一瞬で小さくなった。









てか、なんでコイツはわかんねぇんだ??

たく、世話が焼ける・・・・・・・ん?そうだ、いいこと思い付いた♪









そして隼人は小さな悪戯を思い付いたかのような笑みを作った。









「山口、こっち向け」

「へっ?・・・・・・・////////」









久美子はあまりの出来事に一瞬何がなんだかわからなくなっていた。









「・・・い、い、いきなり、な、なにしやがる!!!!」


「なんだよ、人がせっかくとってやったっていうのに♪」









そう言った隼人の舌には確かに米粒が付着していた。

隼人は久美子の唇の近くについていた米粒を舐めとったのだ。









「だからって・・・・・口で取ることはないだろ!!手があるんだから手で取れ!!
というか、こういうことは、好きな女にでもやれ!!!!」









久美子は自分の中で何とか今までの出来事を飲み込んだが、
感情まではついていけなかった。


久美子は真っ赤な顔をして隼人に怒鳴った。
だが、当の隼人は飄々と、











「あん?好きな女?ああ、なら問題ないねvv俺はお前に惚れてるしぃ♪」











隼人はさらりと久美子に自分の気持ちを伝えた。

だが、久美子はと言うと、











「えっ?」











まさかそんな応えが返されるとは思っても見なかったようで、固まっていた。









「どうしたんですかセンセェ〜♪真っ赤ですよ〜♪♪」

「/////・・・・・なっ!!」











久美子は自分の顔を慌てて押さえた。











「お、大人をからかうんじゃない!!」

「だから、別にからかってないつーの、俺はお前のことが好き。わかるか?この意味??」

「////・・・・そ、そんなことわかってる!!
あたしだってお前らのことが好きだし、でも・・・・それとこれとじゃ意味が違うだろ!!」




「はぁ・・・・・・だからその意味が、既に間違ってるっつーの・・・・・」




「え?」









「だ・か・ら、俺はお前のことが好き。つまり、愛してる。
さっき惚れてるって言ったっしょ、俺はお前に恋してるんだっての。てか、いい加減理解してくだパイ。」



















・・・・・・間・・・・・・



















「・・・・えっ!!!な、嘘だろ!!!てか、からかうんじゃねぇ!!!!!!!」

「全然からかってねぇよ。
つーか、いい加減に気付きやがれ・・・・というか、認めろよ自分が惚れられてるんだって」




「あうぅ・・・・・///////」




「俺だってそろそろ限界くるぞ・・・・
俺は竜と違って、気が長いわけじゃねぇからな」




「な、なんでそこに、小田切がでてくるんだ・・・・・??
というか、近づいてくるな矢吹。離れろ」









隼人は久美子にそんなことを言いながら段々と距離を縮めていった。

久美子は段々と距離を縮めてくる隼人から逃げるために後ろに下がっていたが、
元々フェンスからそんなに離れていない状態で昼食をとっていた久美子は
今ではフェンスにもたれかかった状態でもう逃げ場がなかった。



そして、まだずんずんと迫ってくる隼人に久美子は少しずつ焦りを感じた。









TO BE NEXT・・・・・→









++あとがき++
管理人頑張っちゃいましたよ!!
皆さま。
初、隼クミです。

いやぁ。
初めてなもんで、おかしなところが多々ありますが、笑って許してください。

すいません。
長いもので・・・まだ続きますよ。




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