「なんで急に俺のこと避けるんですかぁ?教えてくだパイ♪」
隼人は久美子の反応を見ながら完全に楽しんでいた。
「お、お前が段々近づいてくるからだろ!!」
「えぇ、さっきまで隣で飯食ってたのに??」
「そ、それは・・・・//////」
「ねぇ、山口センセェ」
隼人はフェンスに手をかけ、久美子を真上から見をろしている状態になった。
久美子は昼食をとっていたため座った状態。
それも、フェンスに背をあずけている為、さらに身長が低くなっている。
隼人は膝立ちで久美子を腕の中に囲う状態。
それも、フェンスに手をかけている為、少し身長が低くなっている。
はっきり言って顔が近い。
そんな状況で、久美子は顔を赤らめたまま困ったような表情をして隼人を見上げた。
身長が低いのだから当然久美子は隼人を見上げなければならないのだが、
はっきり言って上目遣いの久美子。
ついでに、羞恥心の所為か、目じりが潤んでしまっている。
あ、俺マジでやばいかも・・・・・
マジで歯止め利きそうにねぇや・・・・・
まぁ、可愛すぎるこいつが悪いってことで・・・・・・
「や、矢吹・・・////」
久美子の隼人を呼んだ声はさらりとスルーされ、
隼人は久美子に段々と顔を近づけていった。
隼人と久美子の唇が触れるまで
あと
・・・・・5cm
・・・・・・・4cm
・・・・・・・3cm
・・・・・・・2cm
・・・・・・・1cm
・・・・・・・・・・・・・・・・あともう少し
その瞬間、
隼人の後ろから恐ろしい声が響いた。
「隼人・・・・・・・・」
それは、どす黒くヤバイ感じの竜の声だった。
――――そしてお話は冒頭に戻る。
はっきり言って、竜がやばいくらい怒っている。
久美子は、何故に竜がそこまで怒っているのかがわかっていない状態だった。
けど、はっきり言って俺も不機嫌だ。
ああ、メチャクチャ不機嫌だ・・・・・・・・・
あと少し竜が遅ければ確実にこいつの唇は俺のものだった。
「竜・・・・・」
「お、小田切??一体どうした??」
「一体どうしたじゃねぇだろ、一体何してるんだ」
「えぇ・・・・」
「一体何してたんだ!!」
「いや、別に何も・・・・・」
「嘘をつくな!!」
小田切が怖い。
なんでかわからないけど、小田切が怒ってる。
「竜ちゃんは怖いねぇ。俺たち別に何にもしてないのになぁ」
「うるさい隼人!!」
「いや、本当に何もしてないけど」
「何もしてないならなんでそんなに二人の距離が近い!!」
「それは・・・・・・/////」
久美子の急に赤くなった様子を見てますます竜は機嫌を悪くした。
そうでなくても、久美子は今現在隼人に迫られている状態なのだから・・・・
「竜ちゃんは細かいねぇ」
「ちゃん付けするな気持ち悪い!!」
「別に山口は俺にてなんて出してねぇよ、むしろ俺が出した。
だ・か・ら、言う相手が違うんじゃねぇの」
竜を軽く挑発するような口ぶりの隼人。
竜はそんな隼人を睨んだ。
久美子は久美子で凄まじく焦りを感じていた。
ヤバイ。
これはなんか確実にやばい方向に向かっている。
止めないと、でも、何が原因でこうなってるんだ??
ヤバイと思っていても、何が原因なのか今一つかめていない久美子。
ただ焦りだけが募っていく。
そして隼人が動いた。
「ただ俺はこいつに告っただけ。そんで告ったついでに迫ったんだよ。」
「な!!!!!!」
「なぁ、久美子」
「本当か!!」
久美子は展開についていけなかった。
はっきり言って、名前を呼び捨てにされていることにさえ気付かなかった。
そして、そんなことを言った隼人の顔がまた久美子に迫ってくる。
その瞬間、久美子はパンクした。
「だぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――!!!!!!!!」
久美子は暴れて何とか隼人の腕の囲いから脱出した。
「もう、いい加減にしやがれ!!!!
私はお前たちのオモチャじゃないんだ!!」
そんなことを言うと久美子は屋上から逃げ出すように去ろうとした。
しかし隼人がそんな久美子に話しかけた。
「山口!!!」
「・・・・・・なんだよ」
「とりあえず、ゴチソウサマ」
「は??」
「俺はお前の弁当食ったからな」
「えっ?・・・・・・・・・・あっ///////」
久美子は一瞬何のことかわからなかったが、しばらくして思い出した。
そして思い出した瞬間、久美子はまた顔を真っ赤にして屋上から飛び出していった。
しかし久美子は屋上から出る前に隼人に一言いい残した。
だがその一言は、それは竜に衝撃を与えるには十分だった。
「や、矢吹のバカやろう!!!!顔についてた米粒は手でとりやがれ!!!
てか、口で取るんじゃねぇ!!!!!!」
そして屋上に残された二人。
「隼人お前・・・・・」
「これで、相子な。」
「相子じゃねぇだろ・・・・・」
「お前だって、俺の邪魔しただろ」
「・・・・・じゃあ、もし俺がお前の立場だったらどうするんだよ」
「決まってるね、もちろん邪魔する。」
「・・・・・・・・・」
あまりにも清々しく言い放つ隼人の様子にすっかり毒気を抜かれてしまった竜。
ただ深いため息しか出なかった。
「で、当面の敵はやっぱりお前とあいつ本人だよな。」
「・・・・・否定はしない。」
「でもま、勝つのは俺だけど」
「俺だ。」
そんなことを二人で言い合った。
そして二人で見上げた屋上の空は、
自分達が吸い込まれてしまいそうなほど青く静かだった。
END
←back |
オマケ→ |
++あとがき++
まだ続きます。
オマケがあります。はっきり言って短いです。
まぁ、量的に言えばsssくらいのお話ですねぇ。
戻る |