今の静かな3Dの教室に似合わない大きな音が響いた。





慌てて久美子は慎と繋がっていた右手首を振り解いて
大きな音を立てた場所を見て驚いた。








「・・・・あれ?慎まだ居たのか、それにヤンクミこんなとこで何してんだ?」








そんな静かな場を壊したのはクマだった。





「お、お前こそ何でこんな時間に教室に!?」


久美子がクマに話し掛けた。





「ん?ああ、俺はチョット忘れもん・・・・ん?どうしたヤンクミ?」


「な、なんだよ!!!」


「顔、スッゲェ真っ赤だぞ??」








「っ!!!・・・な、何でもないから気にするな!!!きっと夕日のせいだ。」








「ふ〜ん・・・」





クマは本当に気にしないで自分の机の前に立つと中を探り始めた。

しかし机の中には恐ろしくゴミが大量に詰まっていた。





「・・・・クマお前・・・掃除くらいしろよ・・・」

久美子は呆れて言った。





「まー、気にすんな。・・・おお、あったあった!!!」


しばらくしてクマがそう言うと机の上に忘れ物を取り出した。





「・・・・コロッケ・・・パン?????」





久美子は不思議そうにそれを見ていた。





「そっ、これ今日までなんだよね〜・・・賞味期限。
別に1日くらい過ぎても気にしねぇんだけどさ、ど〜してもこれが食いたくてさ」





そう言うとクマはコロッケパンをアッというまに、たいらげた。





「・・・で、ヤンクミはこんな時間に教室で何してたんだ?」





クマが指を舐めながら久美子に質問した。





「あ、あたしは教室の戸締りと日誌を取りに・・・来ただけだけど」


「ふ〜ん・・・・・慎は?」


「・・・・俺、さっきまで寝てたから、こいつに叩き起こされた・・・」


「先生に向かってこいつって言うんじゃない!」


「・・・・・・・・・」


「まぁまぁヤンクミ」





クマは久美子を簡単になだめた。


慎はクマに簡単な嘘を言ったが少し不機嫌になっていた。

やはり自分達の空間に急に割り込まれた事に少し腹を立ているようだった。





「とりあえず、なら途中まで一緒に帰ろうぜ慎!!」





クマには全く悪気はなかった。





「・・・・ああ、別にいいけど」





久美子はその一言を聞いて少し安心した。








――― ナイス、クマありがと!!今度なんか奢ってやる!!








と、クマに言葉に出さずとも、心から感謝した。








「それじゃ早く行こうぜ!!!」


「・・・ちょっと先に行っててくれ、すぐ行く・・・・」








その言葉を聞いた久美子はかなり内心焦りだした。








な!!!な、なに言ってんだ沢田!!!


ク、クマお願いだそこで簡単に引き下がらないでくれ!!


そこで引き下がられたら、また二人っきりになっちまう!!


たのむ!!


どうせ教室を出て行くんだったら、あたしを置いて先に行かないでくれ!!!


正確にはあたしを教室に残して沢田を教室から連れて行ってくれ――――――・・・





この際、逆でもいいから・・・・後生だ!!





あたしと沢田を二人きりにしないでくれ、どうか気付いてくれ!!!











「・・・・???・・・わかった」





クマは何故先に行けと言われたのか解からなかったが
取り合えず教室を出て行った。


そして久美子の心からの願いは全く届かなかった。











ああああああ・・・・クマ・・・・・











慎はまた久美子をみつめていたが、
久美子は自分をみつめる視線に背を向けて回避していた。











―――― 沈黙が痛い











ただそこにある空気が肌に突き刺さるようだった。


やがてこの空気に絶えられないと言うように、久美子は慎に早く家に帰るようにうながした。





「・・・さ、沢田、あんまり待たすとクマが先に行っちまうぞ・・・・
だから、お前も早く家に帰・・・!!!!!!!!!!」





慎は不意をつき、久美子の体を抱きしめた。






























TO BE NEXT・・・・・・>




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++後書++
皆さまはろん。

てか、やっとでました。



クマ☆



クマってなんか使いやすくて良いですよ。(≧ω≦)

まぁ、このストーリー2のお話では
ぶっちゃけ久美子と慎とクマしか出てきません。

主要3人出てきたので、このお話もそろそろ終わりますねぇ。


って、言っても現在3話。
まぁ、割と長いお話ですねぇ。

あと・・・・・たぶん2回載せたら終わるかなぁ。

て、訳で全5話になりそうな予感。

h18.9.11


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