急に後ろから抱きしめられた久美子は
また茹蛸のように真っ赤になって声にならない声で驚いていた。
っっっ、いっ・・・・いったいあたしに何が起こってるんだ!!!!
厄日か!!
今日は厄日なのか!!
厄日・・・・
・・・・・・・そうか、なんだ。
今日は厄日だ・・・・・ああ、ビックリした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・って、納得できるか!!!!!!!!
納得できたらこんな事になるか!!
どうしてこんな・・・・・・
何で、どうしてこんな事が次々起こるんだ!!!
久美子はわけもわからず固まっていた。
そして慎は久美子を抱きしめた時、漠然と思った。
―――細すぎる
慎は久美子の体が細いことは知っていた。
だが想像していたよりもずっと細くて柔らかかったことに驚いた。
あまりにも純粋で綺麗な人
無理矢理つかんだ手首が細くて
抱きしめた体が自分より小さくて
ただ、あたたかかった―――――
なぁ、お前はこんなに細い女の体で
今まで俺達の事を当たり前の様に守ってたのか
そんなことを思うと慎は久美子に見えない位置で
苦虫を噛み潰したような表情をした。
こんな細い体にいつまでも俺は守られてる。
俺はあの時、ただ後悔した。
前に俺達の所為でこいつを失いかけた時、
俺達が犠牲になってもこいつを守りたかったのに、
結局守られたのは俺達の方だった。
ただ、こいつを守りたかった。
守りたいのに、
それだけだったのに、
その想いだけだったのに結局最後の最後まで守られた。
はじめて俺達を受け入れてくれた大切な人だったから
どんな事をしてでも守りたかった。
そう、自分達を犠牲にしてでも守りたいものが出来た。
昔では考えられなかった。
一番嫌いなものの為に自分が犠牲になるなんてありえなかった。
それでも、その全てを覆してでも大切だと思えた。
だから必死だった。
彼女を守る。
彼女を守る。
彼女を守る。
彼女の夢を奪わせわしない―――――
けれど、どんなに頑張ったとしても、
やはり俺達のほうが守られていた。
どんなに幼く見えても彼女は大人だった。
―――大人だった
どんなに頑張ってもこの年の差だけは変わらない。
変えることができない。
そのことが重くのしかかる。
こんなに細い腕で
いつも俺達の事を信じられないほど力強く支えてくれていた
世界に光を導いてくれた彼女。
世の中まだ捨てたものではないと思わせてくれた唯一の人。
だから、
だから彼女を失うのなんて考えられなかったのだ―――――
どうして俺に彼女を守る力が無いのだろうか
どうして俺は大人じゃないのだろうか
どうして俺は彼女と同い年ではなかったのか
幾つもの仕方のない事が重なる。
すべて自分が子供だからという理由で彼女を守ることすら出来ない。
守る資格さえ持つことが出来ない。
彼女と対等の位置に立つことすら許されない。
彼女のずっと先を見据える強い眼差し。
前だけを向いて彼女は自分の道を突き進む。
そして俺たちはそんな彼女の背中を目指して追う様に進む。
彼女の小さくて、それでいて誰よりも力強く温かい背中を目指して、
だから俺は、俺たちは、もう間違わない―――――
TO BE NEXT・・・・・・> |
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++後書++
皆さまはろん
かなり小説久しぶりです。
ぶっちゃけ、とんでもなくありえんくらい忙しかったんです。
もう、なんつーんでしょうか、ええ、イヤガラセ?
厄日ならぬ、厄月?
つうか、厄月ならおよそ2ヶ月ぶっ通し??
ついでに風邪までこじらしてえらい目にあってますよ、いやマジで(汗)
おいおい、勘弁してくれよ・・・みたいなΣ(T□T)。
久しぶりの更新なのに、こんな中途半端でスンマセン。
もう少しで完結します。しばしお付合いください。(T□T)ノ
h18.10.9
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