それはまるで死刑宣告。


その瞬間、足元から全てが崩れ去る。







ああ、全てを夢と思わせて・・・・







お願いです。


明日には何もなかったように

全てが悪い夢だったと思えるように・・・・・







あなたの声を聴かせて


あなたの光に満ち溢れた瞳を俺に見せて







けれどその願いは叶わない―――









++++ イバラヒメ 前編 ++++  NO・12









どれくらい待っただろう、

手術室の明かりが消えて中から久美子たちが出てきた。





「親族の方ですか」





医者が三代目に話し掛けた。


慎は放心状態で耳に入ってくる会話を聞いていた。





「・・・・・非常に危険な状態です。

手術で一命は取り留めましたが、まだなんとも言えない状況です。

生徒さんが止血をしていなければ

お孫様は病院に運ばれる前に亡くなっていたでしょう・・・・」





医者がそんなことを言っている。





「それでは久美子は助かったんですか?」


「それは、まだはっきり言えません。ここニ、三日が峠でしょう。」


「・・・・では峠さえ越えてしまえば、久美子は大丈夫なんですね。」





三代目が医者に詰め寄る。


医者は困ったような顔を作った。








「・・・・・・・峠を越えたとしても、お孫様は目覚めないかもしれません」





「どういう「どういうことだ」」








医者と三代目の会話の中に急に慎が乱入した。








「おい、答えろ!!」






「慎の字!!落ち着け!!」








慎が医者に詰め寄る。


三代目は慎を諌めようとした。








「・・・・お孫様はもしかすると意識が戻らない可能性があります。」








「どういうことだ!!!」








「お孫様は事故にあわれた時、頭に受けた衝撃が原因で

目覚めない可能性があります。」








「嘘・・・だろ・・・・それじゃ、あんな言葉が最後だって言うのか・・・・」








「・・・・・・・・・」








「なぁ、嘘だって言えよ!!

どうして、こいつが・・・・おい、答えろよ!!!!!」








慎は医者の胸倉をつかんだ。








「やめねぇか、慎の字!!!」








三代目は慎を止めた。

慎は三代目を見て、力なくその場に崩れた。








「だってあいつは、さっきまであんなに元気で、なのにどうして・・・・・」








「慎の字・・・・・」








「どうしてだよ!!!!どう・・・して・・・・・・・・」








「・・・・・・・・・・・・・」

















「ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ”あ”あ”あ”あ”・・・・」



















慎の叫びは院内でただ響いていた。


音はもう何も聞こえない。











どうしてこうなった。





どうしてこういう結果になった。








―――――俺のセイダ


あの時俺が目を放さなければ








―――――俺のセイダ


あの時俺がこいつの見つけた危険に気付けば








―――――ああ、


後悔ばかりが押し寄せてくる。











俺はいつも大切なものを守ることができない・・・・・・




















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++あとがき++
イバラヒメ続きますねぇ。
でも安心してください。(何に・・・・・{汗})

イバラヒメ前編は次で終わります。
やっとこさ終わります。

てか、長いですねぇ。

さぁ、中編はいつ作ろうかなぁ。
まだ中編いっちょも作ってません。(゚∇^*)v

なのに、
他の連載物作りてぇなぁなどと思ってみたりしてます。(≧ω≦)/〜☆

収拾つかなくなると思われるのに、色んな事がやりたいんです。
自分の能力を大幅に越えてるよ・・・・・(T◆T)

h18.5.5


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