いつもそうだ・・・・

大切なものはいつも自分の腕を通り過ぎて逝ってしまう・・・・・




なんで自分が守りたいと思ったものは、

どうしてこんなに早く逝ってしまうのだろう・・・・・




神様・・・・・・


あなたを信じていいですか?




お願いです。


俺から大切なものをこれ以上、奪わないで下さい。









++++ イバラヒメ 前編 ++++  NO・4









「頼むから・・・・起きてくれよ・・・・ヤンクミ!!!!!!!!!!!!!」


俺はただ叫ぶことしか出来なかった。







ああ、なんて無力なんだろう・・・・・

肝心な時に俺はあなたを救うことが出来ない・・・・・







すぐさま病院に連絡をいれて、

今の状況とを携帯を通しながら病院側からの指示を仰いだ。




その時に教わった止血法・・・・

器具も何も無い。それも素人が重症患者の手当をする。

凄まじいプレッシャーだろう・・・・・











それでも、俺は止めることなんてできなかった。











もしかしたら、これがあなたの命の火を少しでも繋ぎとめるかもしれない。


そんなことを思って、俺は止血を止めなかった。






止められなかった。






頭の中に浮かんだ言葉、














血ヲ止メナケレバ・・・・


コノ状況ヲドウニカシナケレバ・・・・














彼女の体を病院の指示の元、事故現場から動かした。




動かしたら危険だとも思ったが、

道路の真ん中で、そのままの状態にした方が危険だと判断した結果だ。




事故を目撃した何人かが彼女を運ぶことを手伝ってくれた。









礼を言ったのかは、もう憶えていない。














ただ必死だった。














病院側から止血法を教わって、

俺はすぐ隣の歩道で彼女に止血を施していた。


その間俺は名前を呼び続けた。




「ヤンクミ!!なぁ、ヤンクミ!!!」




幾度名前を呼びかけただろう・・・・









しばらくして、彼女に意識が戻った。









「さ・・・わ・だ・・・??」

「ヤンクミ!!」




彼女に意識が戻ったようだが目がうつろだった。




いつものような強い眼差しは・・・・・無い。









ああ、神様。




彼女を助けて下さい。




お願いです。




俺を助けて下さい。




どうして俺には彼女を救う力が無いのですか・・・・・




どうして彼女でなければならないのですか・・・・・














神様・・・・・・・・―――――――――




















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++あとがき++
祝四話目!!段々お話が進んでます。
やっと久美子さん目覚めましたねぇ。

h18.3.12


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