激しいブレーキ音


モノが車にぶつかる鈍い大きな音・・・・・





目の前で起こった事故―――





それはあまりにもあっけない終わり・・・・・








ああ、俺のセイダ・・・・・









++++ イバラヒメ 前編 ++++  NO・9









母に無理に代わってもらったシロの散歩。


母が心配そうにこちらを見ている。





それでも俺は大丈夫だと母に笑って見せた。





自分はもう大きいのだから

これくらい1人でもちゃんと出来るんだと・・・・


まるで、自分は何でもできるのだと、

そう、誇らしげに胸をはっていた。








しかし、自分の思い通りにはいかなかった。









6歳になったばかりの自分。





1歳と数ヶ月のシロ。

詳しくはわからない。









グイグイと手綱を引くシロ。


賢明に手綱を持ってシロを散歩させていた慎。












――――― そして事件はオコル ―――――












慎はシロの手綱を引く力に負けてとうとう、転んでしまった。


そしてその時、シロと自分を繋いでいた手綱が離れてしまった。








それはあまりに急だった。








母親が転んだ自分の元に寄ってくる。


その時シロは勢い余って、偶然道路に飛び出した。





そしてその瞬間を俺は見た。





シロの声が聞こえた。

















キャン!!

















そしてその悲鳴がシロの最後の声になった。








目の前で車に轢かれたシロ。












自分がもし転ばなければ・・・・


自分がもし転んだときに手綱を放さなければ・・・・・・


自分がもし母に我侭を言わなければ・・・・・

















シロが死ぬことはなかった。

















全ては俺のせい。








俺が全てを軽く見ていたから。




自分の行動一つで、

何かの命を奪うことがあるなんて俺は知らなかったから。









また明日も普通に会えると信じていたから・・・・









まさかそれで全てが終わってしまうなんて思っても見なかった。




















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++あとがき++
次で、シロ偏の話し終わります。

そしてとっとと、本編に戻ります。
てか、もう少しでイバラヒメの前編が終わります。

h18.4.26


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